Evolution of Ultra-high-speed Image Sensors; 超高速度イメージセンサ;

摘要： 2009 年のノーベル賞を受賞した Boyle と Smith が撮像に CCD が使えそうだと示唆したのは 48 年前である1)．その後のイメージセンサの進化は目覚しく，空間解像度や感度は限界に近付きつつある．最先端のイメージセンサの画素サイズは(cid:9873)μm 近くに，量子効率（発生電子数／入射光子数）は 0.8 以上に，ノイズレベルは 1 photon 以下にまで小さくなった．今やイメージセンサを使わない可視化技術はないと言って良い．細密な空間分解能を要求されるホログラフィにおいてもデジタルホログラフィという呼び名でイメージセンサによる撮像が行われることが一般的になった．現在の技術であれば，フィルム用の銀塩粒子のサイズはナノメータ程度にまで小さくできるが，可視光の波長は 0.4μm?0.7μm であるからあまり小さくしても意味がない．一方，イメージセンサにおいても，シリコン結晶への緑色光の侵入深さは約(cid:9873)μm であり，赤色光に至っては(cid:9875)μm に達するから，画素サイズを(cid:9873)μm 以下にしても画素間のクロストークが過大になり，カラーイメージセンサでは色再現が困難になるだけである．一方，高速化についてはまだまだ進化の余地がある．本稿では高速度イメージセンサやビデオカメラについて進化の過程を俯瞰する．